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~ FRANCAISE - Paris ~
■ パリ その1 世界遺産:パリのセーヌ河岸 ■
パリの概要
パリ市内の世界遺産としてセーヌ河岸近くの中世の建築群が登録されており、ノートルダム大聖堂、エッフェル塔、ルーブル宮殿、美術館、コンコルド広場、オルセー美術館などが含まれている。イタリアのローマは遺跡の赤茶けた建物が多く見られるに対し、パリ全体の印象としては近代的で真っ白な建物が多く自動車が通れる広い道が多い、。アートに関してはイタリアがヴァティカンを中心としたキリスト教アートを収蔵しているのに対して、パリは宗教改革後のキリスト教描写という固定観念に捕われない自由で開放的な作品が多く見られ、ルーヴルやオルセーのコレクションを見れば、その違いが良くわかる。交通機関は非常に便利で、路線が市内を網の目のように走っている。意外だったのは芸術の都パリと言う割には地下鉄が意外とぼろくて蒸し暑く、クーラー代わりに設置された霧状の水がホームの天井から人々の頭に向けて噴出している。アテネでたくさん見かけた公共の壁にカラースプレーで書かれた落書きのようなものは一度も見なかった。またパリ市外から電車を利用して来る場合、ターミナル駅がそれぞれの行き先、到着方面によって異なるため行きと帰りで同じ駅になるとは限らないので注意したい。私はイタリアからパリ・リヨン駅に到着して、パリ・東駅からドイツへ向かった。このように2つの駅は全然違う場所にあるので時間ぎりぎりに行動してホームを間違えるようなことはくれぐれも避けたい。食事に関しては、普通の店やレストランは日曜日や祝日には結構休むので、お目当てのレストランの営業時間をしっかり確認しておきたい。実際に筆者が滞在した時、祝日の土曜日そして日曜日と続いたため予定していた3つのレストランに一つも行くことができなかった。出店で2回ほどクレープを食べたが味は全く普通だったし、Hotel De Ville周辺の観光客向けフランスレストランで郷土風牛肉スープのようなものを食べたがこれもまずかった。と言うわけで、残念ながら今回紹介できる食べ物情報は全くない。観光名所の込み具合であるが、ほとんどの場所で列を作って待たないといけないので、時間に余裕のある予定を立て早朝に出発したほうが良いだろう。
1日ですべての作品を見ることができない美術館
中央入口のピラミッドが印象的なルーヴル美術館は地上3階、地下1階から成り立っており広大な敷地に膨大なコレクションが収蔵されていて、駆け足で全ての作品を1日で見ようとしてもほぼ不可能である。世界的に有名な傑作が多数発見できるし、もっとすごいことはこれら全て写真撮影OKということで、何と太っ腹な対応なのかと驚かされてしまう。もし最低2,3日滞在予定ならParisMuseumPassの購入をお薦めする。そのパスさえあれば、オルセー美術館、ヴェルサイユの宮殿を含め、パリ市内近郊の約60の美術館らを自由に入れることができて金銭的にもかなり買い得だ。お勧めは4日券45ユーロのパスである。しかし最も得することは、たいてい30分または1時間待ちしなければならない行列をスキップして入場することができるということである。特にシーズン中は半端じゃない観光客の人数が列を作っているのでお金以上に時間をセーブできることがはるかに利得だ。メインの入口は地上のガラス張りのピラミッドから入館するのであるが、地下鉄から来ると直接地下のフロアーから入館することができ比較的に短い列に並ぶだけで済む。館内で見られる有名な代表作はモナ・リザ(1503-06年、レオナルド・ダ・ヴィンチ)、民衆を導く自由の女神(1830年、ウジェーヌ・ドラクロワ)、ナポレオンの戴冠(1805-07年、ジャック=ルイ・ダヴィッド)、サモトラケのニケ、ミロのヴィーナス等である。また無料でもらえる案内書の見取り図は代表的コレクションが写真入りで掲載されているので大変参考になる。
ズバ抜けてスゴい彫刻コレクション
オルセー美術館は19世紀美術専門の美術館で、ルーブルと同様すごい作品だらけだ。モネ、ゴッホ、ルノワール等の名画をはじめ、展示されてある作品の特徴としては普通一般の人物像や日常的風景を切り取ったような絵画を多く見ることができる。また筆者が特に注目したのは中央の吹き抜けの部屋にある数多くの素晴らしい彫刻達である。 1作品に数体の人間が絡み合うように彫られていたり、壁の平面に対して立体的に複雑な構成画を彫刻したものなど驚嘆させられるコレクションばかりであった。ルーブルほど広くはないが全部見て回るのに最低2時間は必要であろう。写真撮影はOKである。
チャンプス通りと複数の凱旋門
まず最初に読者への質問だが”Av. des champs Flysees”が読めるだろうか? 私はこの通りを歩いていた時、チャンプス フライジーズ通りと読んでいた。凱旋門に向かう途中のことであった。ガイドブックによるとパリ中心から延びるシャンゼリゼ通りをずっと北西にまっすぐ歩いていけばよい簡単なコースである。今のところ歩いている方角は合っていたので、そのうちこの大通りに出くわすだろうと思っていた。しかしなかなかそれらしき道名は出てこないし、観光案内所でもらった地図を見てもいまいちわからなかった。しかし、今歩いているこの美しくて巨大な通りが間違いなくシャンゼリゼだ確信した時、はっと気づいた。強引にその道のサインを読むと「シャンプ イェリーゼ」と読めたのである。なるほど!と気づいて何だかわからないが非常にうれしくなりすっかり不安が消えて、凱旋門に向かって再び歩み始めた。凱旋門が遠くのほうに見えてきたころには、日もすっかり暮れてシャンゼリゼ通りの高級ショッピング街と街灯によるライトアップでとてもロマンティックな通りへと変貌し当たりは人々と車で溢れかえっていた。旅の疲れで足が痛くなっていた私は凱旋門を遠くながらも一目見ることができて満足したので、そのまま付近の地下鉄に乗ってホステルに戻った。ちなみに、この凱旋門の正式名称はエトワール凱旋門と言い、屋上に上ることができて市内を一望することができる。筆者は凱旋門は世の中に1つだけ存在すると思っていたが、実は凱旋門またはそれと似たような建築物がヨーロッパ中にあることがわかった。